洋装が主流となってしまった現代では、すっかり着物を買ったり着用する機会も少なくなってしまいましたね。ただ、唯一「振袖」だけは持っていて大事にタンスの奥にしまってある、という方は案外多いのではないでしょうか。
着物は処分方法が分からない…という方のために、今回は振袖の買取について詳しく見ていきましょう。
振袖の買取相場
振袖の買取相場は購入時の値段の1割程度、というのがおおよその目安です。
また、保存状態など様々な要因で着物の値段は大きく変わってきますが、状態の良い振袖の買取相場は約1万円で、振袖は数ある着物の中でもトップと言える相場で買取が行われています。
成人式や結婚式など未婚女性が正式な場で着るもので、中古品でもリサイクル自体に抵抗の低い若年層からの需要がある為、高値がつくようです。
他の着物と比べてみると、同じように礼装として知られる留袖の相場が約6千円なのを考えてもやはり比較的高値と言えるでしょう。他にも振袖と同じように買取相場1万円の着物に「訪問着」や「付け下げ」がありますが、どちらもカジュアルなシーンで着られることが多いものの為需要も高いので値段が上がっています。
振袖で高く売れるもの
着物買取専門店や出張買取業者が高価買取をしている振袖は、下記のようなものです。
- 購入後10年以内・保管状態良好
- 証紙のあるもの ※証紙とは着物の品質や産地などが書かれたもの
- 伝統工芸の技法を使用している
- しつけ糸がついている未使用品
- 仕立て直しができるサイズのもの(身丈160センチ以上、裄丈65センチ以上)
- 伝統工芸品、有名作家、人間国宝の作品
他の着物と共通する点も多くありますが、特に振袖を高く売るのに重要なのはサイズです。母や祖母などから代々引き継がれることも多い着物は、やはりサイズが昔の日本人の平均的なサイズになっていることが多いのは想像がつくでしょう。
サイズの問題は全ての着物にも共通するポイントですが、上記にも書いたように振袖は特に成人式や未婚女性など全体として需要のある年齢層が若くなります。そういった理由から現代の体形の人でも着られるよう、他の着物と比べてもサイズでかなり値段が変わるようです。
振袖とは
振袖の特徴
振袖は未婚女性の礼装として知られていますが、華やかな絵羽模様と長い袖が特徴で、成人式や結婚式など、若い世代にも馴染みのある着物だと言えます。
振袖の種類
<長さによる分類>
- 大振袖(袖丈114cm前後)…第一礼装として最も格が高いとされており、本振袖や引き振袖などとも呼ばれます。現在の成人式などで着られているのはほとんどこの大振袖に近い丈になってきているそうです。
- 中振袖(袖丈100cm前後)…礼装として着用でき、元々は成人式などで使われていたのはこちらの丈のものです。
- 小振袖(袖丈85cm前後)…あまり正式すぎないおよばれなどに適していると言われています。
<色による分類>
- 黒振袖…地色が黒の振袖。昔はこちらが一番格が高いとされていました。
- 色振袖…地色が黒以外の振袖。