訪問着の買取相場
訪問着の買取相場は、状態の良い良品で約１万円で、この値段は、着物の中でも格が高いとされる黒留袖や振袖などとほぼ同額で、着物の買取相場の中でもトップクラスです。
そもそも訪問着は留袖などと比べてカジュアルな場面でも着られ、格で言うと中くらいの着物です。それにも関わらず、買取価格が高額になる要因はその需要の高さにあると言えるでしょう。
具体的には、訪問着は既婚・未婚を問わないですし、紋を付ければフォーマルな場でも着用できるほか、普段のおよばれなどちょっとした社交場でも着られ使える幅が非常に広いのです。着る場面が多い分着用人口が多く、市場価格も上がるのではないのでしょうか。
訪問着で高く売れるもの
着物の値段は状態や作家、素材や染め方など様々な要素が合わさって決まります。
訪問着に限らず着物の基本的な高額買取条件は、未使用品・有名作家、人間国宝などの作品・仕立て直し出来るサイズ（身丈１６０センチ以上、裄丈６５センチ以上）などがありますが、特に訪問着に関しては「銘柄」が重要になってきます。
「銘柄」とは着物のブランドのようなもので、特に訪問着で有名な銘柄は「加賀友禅」「京友禅」などがあります。友禅とは、簡単に言うと染め方やその技法を用いた柄のことを言いますが、一般的にこれらの着物は高額になることが期待できるでしょう。
しかし、注意が必要なのは友禅の中にも「手描き」「型」などの種類があり、最近ではインクジェットで友禅柄をプリントしたものも「友禅」と呼ばれるようになっています。つまり、友禅は友禅でもインクジェットプリントしたものであれば安値になるので注意が必要になります。
訪問着とは
訪問着の特徴
準礼装として着られ、未婚・既婚に関係なく色々な場面で着用が可能。訪問着は、先に仮縫いをしてから下絵を描くので広げた時に模様が途切れるようなこともなく一枚の作品としてとても華やかな着物です。
訪問着の種類
- 袷（あわせ）…裏地の付いたもの。１０月頃から５月まで着られ、裏地があるのでしっかりしていて写真などに写ったときなどの見栄えも良いものです。夏は基本的には着ないものでしたが、最近では屋内は空調も効いているので真夏でもこの袷を着ることが多いそうです。
- 薄物（うすもの）、絽（ろ）…真夏に着るための布地が薄いもの。真夏で、且つ屋外での行事などに適した訪問着です。
- 単衣（ひとえ）…上記２つの中間の季節に着るもの。袷とほぼ同じですが、裏地がないため軽い印象になります。
