型友禅の買取相場

型友禅の買取相場価格は、状態の良いもので約~1万円ほどとされています。型友禅は友禅染の技法の1つですが、対比される「手描き友禅」に比べると半額近い相場となるようです。というのも、型を使用した染色は色ごとに使い分けるため何度も使用することができ量産に向いた染め方と言えるのです。

もちろん、型友禅にも職人の技が必要になりますが、手描きで描かれるものと比べるとやはり安値となってしまいます。(査定額は、状態や柄なども非常に重要視されて決まりますから、必ず手描き友禅の方が高いとは言い切れません。)

しかし、1万円というのは着物種類別の買取相場におけるトップクラスの価格ですから、業界内では決して安いとは言えず「友禅」の持つ人気からニーズもありますから納得の相場と言えるのではないでしょうか。

型友禅で高く売れるもの

着物の査定額を上げる条件はいくつかあり、基本的な事だと「未使用品」「サイズが大きい(身丈160センチ以上・裄丈65センチ以上)」「証紙のあるもの(証紙とは産地や品質を証明する紙や表示のこと)」などが挙げられますが、ここでは特に型友禅を高く売るための条件をご紹介します。

まず、着物買取業者のサイトには「作家物や有名呉服店のものは高額で買取を行っている」との記述があります。例えば高級呉服店と言うと、創業200年を超える銀座の「志ま亀」さん、京都の1584年創業の「ゑり善」さんはどちらも着物好きはもちろん業界でも知らない人はいないほどの有名店になります。

手描き友禅には敵わないとされる型友禅も、両者のような有名店の着物であれば、より高値をつけることがあるかもしれません。

また、詳しくは下記で説明しますが、模様が多彩で複雑な型友禅は、型紙の数も増えますし非常に細かい作業となり熟練の技が必要です。着物の価格は手間のかかるものほど高額になりますから、そういった手の込んだ作品には高値が期待できるでしょう。

型友禅とは

型友禅の特徴

友禅染めの染色方法の1つで、型紙を使用して柄をつけていくものです。型紙は色ごとに用意するため使いまわしができますが、多彩な染色を施す際は型紙の数も膨大なものになります。

比較的量産することが可能で、模様は華やかなものが多くみられるのが特徴です。

型友禅の種類

実際に型友禅の技法が使用される友禅としては主に「京友禅」が有名で、加賀友禅でも型染めは行われますがごくわずかです。

<○型友禅の影響を受けたもの>

京小紋…型友禅の技法などを江戸小紋の技術に反映させて制作されたもの。友禅模様の影響を受けているため、華やかな印象の柄が多いのが特徴です。(小紋とは、現代で言う総柄プリントのような柄の着物)