八重山上布の買取相場
八重山上布の買取相場価格は、状態の良いもので約3万円ほどで、上布の買取価格の中では少し安めの相場となっています。
基本的に、沖縄で生産される染織物は人気も高く技術的にも優れているものが多いため高額になりがちですが、八重山上布の場合、他の有名沖縄着物(例:紅型や花織など)に比べるとは比較的知名度も落ちがちです。また、上布は高級麻織物として有名ですが、中でも「越後上布」「宮古上布」などの人気産地のものと比べてもやはり知名度不足と言えるでしょう。
もちろん白地に赤という色彩などは若いファンも多く、着物好きの中には八重山上布ファンが数多くいるのは事実ですが、例えば買取業者の公表している高額買取品リストに先の2つは必ずと言っていいほど入っているのに対して、八重山上布は載っていないこともしばしばです。
しかし業界全体で見れば高額なのは間違いないですし、着物の値段は状態や柄、流行など様々な点が合わさって決まるものですからハッキリと「〇〇円で売れます」とは言い切れませんので参考程度にお考え下さい。
八重山上布で高く売れるもの
有名作家の作品について八重山上布の具体的な作家名を挙げるなら、第1人者として知られる「新垣幸子」さんの作品は特に高額で取引されています。
買取サイトでハッキリ「高額買取中」という文字も見られますし、オークションや中古販売などでも新垣さんの作品はケタが1つ違うレベルで売買されていることからも、状態が良ければかなりの高額査定が期待できるでしょう。
そして八重山上布は伝統工芸品の1つであり、そういった工芸品を査定に出す際に重要なのが「証紙」の有無になります。こちらを重要視している業者は大変多いですから、あるのなら必ず忘れずに一緒に見てもらうのが良いでしょう。
八重山上布とは
八重山上布の特徴
沖縄県の石垣島など八重山諸島で生産される麻織物。織り終えた生地の色を定着させる為に海水につける「海晒し」が有名で、赤に近い茶で白地に施される絣柄や縞(しま)模様が特徴です。
八重山上布の種類
<技法による分類>
- 紅露(クール)と呼ばれる八重山特有の芋を使用した染料に、糊を混ぜて絣糸を直接染める(捺染:なっせん)もの。
- 植物性の染料(藍など)に糸を直接浸して染め(浸染:しんせん)、「地括り」という大変手間のかかる技法を用いて絣柄を染めるもの。(地括り:先に絣以外の部分を染めてから、絣柄ができるよう括って模様付けをするもの)