買取市場において、常に注目されている貴金属が金です。ここ近年の金融不安からか金が投資対象として価格が高騰しています。
多くの買取業者が金買取に力を入れている昨今ですが、金を売りたいと思っている方はまず金の相場についてを知っておく必要があります。
いつでも毎日同じ価格というわけではありません。ここでは、金の相場の変化や価値などを解説します。
金は純度により価値が決まる
金というと、アクセサリーやジュエリーをイメージされる方が多いでしょう。しかし、よく店舗やホームページなどに記載されている金の相場価格は純金の価格だということを知っておく必要があります。
純金とは24金のことであり、18金や10金などは割金といって他の貴金属を混ぜているものです。もし、金の相場がグラム4000円だったとした場合ですが、純金つまり24金の場合は1gでそのままの4000円での買取です。
しかし、18金だった場合はそのジュエリーの重さから金の分を引いて計算されるため、4000円以下となります。10金、5金とそのジュエリーなどの金の含有量が減っていけば価格は金自体の買取価格は減少します。
店舗によっては、しっかりとその含有量に応じたグラムの金額相場を出しています。例えば、とある業者の場合は14金純度58%2500円/gで、18金純度75%が3400円/gで、20金純度83%が3750円/gといった具合です。
しかし、金自体の重さで買取価格が決まるために、1gの24金よりも10gの18金の商品の方が当然高額な価格となるわけです。相場から計算する場合は金の含有量の重さを確認することが肝心です。
金の価格相場の推移
さて、金の相場は高騰しているとよくいわれています。しかし、それは年や月によってもまちまちですので推移を知っておくことが大切です。まず、2016年の5月12日の時点ですが、金はグラム4487円とされています。
しかし、一ヶ月前の相場としてはグラム4415円ですので、およそ300円ほど変動したということがわかります。また、2016年に入ってからの月の金の平均レートですが、3月は4558円で4月が4413円、5月は4481円とされています。
1月から推移を見ていても、今年は3月が大幅に金の相場があがったことがわかっています。近日の円高という為替レートに応じているようにも見えますが、まだ大幅な上げとなっているのでは無く、市場は注視されているという状態です。
これから金融緩和などで為替レートが変動していくことが予想されますが、逆に考えると金の相場は安定的ですので4500円台が基本となって推移していくのではないでしょうか。
過去の金の相場を確認
金が高騰していると言われ続けていますが、過去は一体どの程度の相場だったのかを知ることも今後の相場予想には役立つでしょう。とある買取業者が発表している金相場の推移データによると、1873年の時点ではグラムで平均相場が958円となっています。
そして、そこから数年は1500円に届くか届かないかで相場が推移し続けます。実は、ここ数十年で一番金が高騰したのが1980年です。最高値がグラム6495円だった時があります。
しかし、1980年の年平均データを参照すると4,499円であることかも、当時の為替や輸入などの影響により大きく金相場が変動したことがわかります。その後、金は下落を続けていきます。
1990年を境にグラムの最高相場が2000円を切る時代が長く続くこととなります。1991年、1992年、1993年などは平均で1300円を推移するような流れです。
さらに、1999年と2000年には金の最低相場価格が1000円を割ってしまうこととなります。平均値はかろうじて1000円台をキープできていますが、金よりも現金などの方が旨味がある時代として認識されていたようです。
リーマンショック後の相場推移
2008年、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻をしたことで世界的金融危機が発生します。
しかし、ここで金の相場は面白い動きを見せています。海外ドル建価格を見てみると、2007年のグラム最高値が841.75に対して、2008年は1,023.50、2009年には1,218.25と大幅にあがり始めます。一方、円を見ると2007年は3070円、2008年は3339円、2009年は3475円と微増といった感じでリーマンショックに対する大きな変動は見られません。
しかし、徐々に不況から抜け出せないという市場の疑心暗鬼からか、為替レートなどの影響により2010年のグラム相場の最高値の3807円から2011年には4745円と大幅にあがっています。
さらに、2013年には特に金の高騰が叫ばれたことからグラムの最高相場が5000円を上回ります。そこから落ち着きは見せていますが、2015年も最高値が4985円となっており、金の相場の高騰は安定的に続いていることがデータを見ているとわかるのです。
今後の金相場
日銀のマイナス金利政策によりさまざまな不安を抱えている現在の市場を考えると、金の価格がより高騰する可能性が示唆されます。
しかし、何かしらの政策が打ち出された後、その後の状況により大幅な上昇や下落も予想されます。日々、金の相場を注視していくことが金の高額買取につながっていくはずです。