天保通宝の買取価格相場
天保通宝の買取相場は状態の良いもので約1000円~2000円ほど。
天保通宝の特徴としてはその密造品の多さが挙げられ、多くの藩で様々な特徴を持つ天保通宝が製造・流通されていました。その為、買取価格も種類などによってかなり差が開くでしょう。
下記で紹介するように何十万円という高額になるものもありますが、基本的には現存する数も多いので希少価値は高いとは言えない種類となります。
価値の高い天保通宝
まず買取相場でも少し触れたように、天保通宝は幕府が正式に発行した数を上回るほど大量に密造が行われていました。
密造通貨は実際に各藩内でしっかり流通していたことなどから、買取市場では天保通宝の種類として同等の扱いを受けたのです。さらに、全国的に広く使用されたわけではなく、希少性が比較的高く高額を付けることも少なくありません。
その中からいくつか具体的にご紹介します。
仙台銭(広郭長足宝)
まず「仙台銭(広郭長足宝)」という種類は希少価値が高く高額での買取が可能。
仙台藩で製造された天保通宝で、この場合中央に空いた穴の枠が広く(広郭) また「寶」の字の下部左払いが長く外の枠に触れているもの(長足宝)を指します。
ある業者が買取価格に12万円を付けていましたしレア品と言えるでしょう。
南部藩銭(小字)
「南部藩銭(小字)」は、南部盛岡藩(現在の岩手~青森の一部にあった)で製造された地方銭。
盛岡藩は有名な「盛岡銅山」など多くの天保銭を密造していたことでも有名ですが、こちらの「小字」と呼ばれる「通」の字が平べったく上部が長めのものは最も高額になる種類とも言え、買取価格は~15万円ほどです。
会津銭(広郭長足宝)
具体的な種類の最後として「会津銭(広郭長足宝)」があり、こちらも地方銭で会津藩で製造されていたものです。(文字の特徴は上記「仙台銭」と同様)
買取価格も約5万円~ほどと相場に比べてかなりプレミアを付けるでしょう。
母銭
また「母銭」に関しては他の古銭同様に高値での買取が可能で、オークションなどでの価格は3万円~、中には10万円を超えるものもありました。
(母銭とは:大量に製造する際の型であり元となる銭貨。元となるだけあり彫りがハッキリしていて美しく、一般に流通もしていないので状態が良いものが多いのが特徴。)
天保通貨、天保通宝の種類
書体の違いなどによって分類できるため主なものをご紹介します。
- 長郭…「郭」とは中央に開く穴の周りを囲う淵のことで、こちらの形状によって分類されます。こちらはその郭が縦長のもの。
- 細郭…「郭」自体が細いもの。
- 横郭…「郭」が正方形でなく少し横長のもの。
- 大字…文字が全体的に大きいもの。