黄八丈の買取相場
黄八丈の買取相場価格は状態の良いもので約2万円ほどになりますが、この金額はかなり高額で「結城紬の買取価格」の約5万円や「大島紬の買取価格」の約3万円に次ぐと言えます。
ネットオークションなどでも平均すると2万円を少し超えたくらいでしたから、だいたい中古で売りに出すとなった時、相場はこのくらいと言えるでしょう。(着物買取においてその着物の状態などによって金額は大きく異なりますので、あくまで参考価格です。)
また、平織(ひらおり)と綾織(あやおり)といったように織り方によっては金額が2万円も異なる業者もありました。(綾織の方が高額)
黄八丈で高く売れるもの
基本的に黄八丈が業界内で比較的高額で取引されるということは上記に書きましたが、特にどんなものならさらに査定額が上がるのかもご紹介します。
まず「山下八百子」さんという作家さんのものは特に最高級と言えます。こちらは手間がかかるため生産量も多くなく、さらにご本人は7年前(2009年)に亡くなっている為さらにその価値は高まっていると言えます。着物買取サイトでは、はっきりと山下さんの作品は「高く買います」と言い切っているところもあるほど業者からの需要も高いです。このように、有名作家や人間国宝による作品には高値がつくと言えるでしょう。
また、逆にあまり値がつかない黄八丈というものもあり、それは希にある無地のものを指します。黄八丈はその鮮やかな黄色が特徴で、ほとんどのものに柄が付けられているのですが、実はこの見事な黄色も、無地だと色ムラなどが目立ってしまい、まず無地の黄八丈は見られること自体が少ないのです。これらを考えると色ムラなどが心配されるものを業者も買取したくないですし良い価格は期待できないと言えます。
そして最後に、この黄八丈は伝統工芸品にも登録されていますが、特にこういった高額がつきやすい高級品の買取では「証紙」の有無は重要と言えるので、査定の際はしっかり一緒に見てもらうようにすると金額もかなり変わってくるでしょう。(証紙とは:その着物の産地や品質を証明するもの)
黄八丈とは
黄八丈の特徴
八丈島で発展した織物のことで、伝統工芸品にも登録されています。素材には絹を使用し、色は草木染めによって主に黄色や黒などに染められますが、特に鮮やかに染まった黄色は特徴的。八丈島で生産されるものを「本場黄八丈」と呼びます。
黄八丈の写真などを見てみると、時代劇などで街着や普段着として着ているのを1度は見たことがある人も多いはず。それほど有名な模様や色だと言えます。
黄八丈の種類
<秋田黄八丈>
秋田県で織られているもので、原料にはハマナスやつつじなどが使われています。別名「秋田八丈」「秋田絹」。本場のものと比べて落ちついた黄色が特徴です。
<黒八丈>
黒に染められたもので、椎(しい)の木を原材料としています。
<鳶八丈(とびはちじょう)>
主に濃い茶色に染められたもので、模様として出来上がったものが鳶に似ているとされたのが名前の由来です。別名「茶八丈」。