袋帯の買取相場

袋帯の買取相場価格は、状態の良い良品で約7千円~になり、帯だけでこの価格は悪くないと言えます。

もちろんその帯の状態や柄など様々な点から買取価格は大きく変わりますから、必ずこの値段で売れるわけではないですが、他の着物と比べてみても高いもので1万円~5万円ほど、例えば礼装で好まれる「留袖」などでも約6千円…この数字を見ると袋帯の買取相場が決して安値でないことが分かります。

ちなみにある買取サイトでは5年未満の新しいもので1万5千円という買取価格の記載がありました。

袋帯は、元々は正装用の帯として知られていましたが現在では使える着物・場面が増え最も多くの着物に使用される帯となりました。つまり需要がとても高いということです。さらに着物の所持数は少なくても帯を変えて楽しむ方も多いですから、市場でやり取りされる数も着物より全体的に多いといえるでしょう。こちらは、買取実績が掲載されている着物買取専門サイトなどを見ていると帯の場合大多数が複数の持ち込みになっているという点からも個人の所持数が伺えます。

袋帯で高く売れるもの

袋帯が高額で査定されるにはいくつか条件があり、これら全てでなくどれか1つでも当てはまれば高額が期待できるでしょう。(「シミがない」など状態が良いことは最低限の条件なので省きます。)

まず1つ目としては、「好まれる色・柄」であること。多くの方が欲しいと思うものは需要が高いということで、買取業界においてニーズのある商品は高値がつきやすいとされていますからこういったデザインに関することは重要です。

次に「人気作家や人間国宝の作品である」ことが挙げられ、こちらが高額になる理由は想像がつくと思いますが、買取品として「作家物」という風にジャンルがあるほど買取業者ではそれらを積極的に高額買取しています。そしてそれに付随してまた重要なのが「証紙(その帯の産地や品質が書かれたもの)」の有無になります。この「証紙」は着物によく付いているものですが、帯にもしっかりと付いていることがありますので、有名作家の作品を売る際などには特に忘れなようにしたいものです。

そして最後に具体的な銘柄を挙げるとするなら、なんといっても「西陣織」の袋帯で、こちらは京都の西陣で生産される日本でも最高級とされる絹織物になります。着物に使用されることは珍しく、ほとんどが帯を作るのに用いられるもので、帯について調べると必ず聞くほど知名度が高く、特に「龍村平蔵」と名のつくものは高価買取が実施されています。

西陣の他には「牛首紬」も袋帯としては高額が予想されます。

袋帯とは

袋帯の特徴

表と裏で別々の生地を縫い合わせて袋状にした帯で、「二重太鼓」という帯の結び方をする時に使われるもののほとんどを指します。長さが約4メートルと帯の中でも最長。(幅は約30センチ)

元々は正装用の帯として知られていましたが、現在はフォーマルだけでなくカジュアルなおしゃれ着などにも使われるようになった為、合わせる際も振袖・留袖(黒、色)・訪問着・付け下げ・小紋などほとんどの着物と合わせることができます。

袋帯の種類

<柄の付け方による分類>

  • 全通柄…帯の表裏全体、端から端まで柄の入っているもの。
  • 六通柄…胴に巻いた時の内側部分など見えない箇所には柄をつけないもの。
  • お太鼓柄…お太鼓になる部分と、胴に巻いた時表になり見える部分のみ柄をつけたもの。(お太鼓とは、「お太鼓結び」という最もポピュラーな帯の締め方をした時に出来る背中の膨らんだ部分)

<縫い方による分類>

  • 本帯…織る時には、既に表と裏で縫い合わせる際に出来る耳(端)の部分が繋がっているもの。(袋状に織り上げている為)
  • 縫い帯…上記の耳を縫い合わせて袋状にするもので、現在はこちらが主流になっています。