買取において、額面を上回る買取価格を付けるものをプレミア古銭・コインと呼びますが、歴史も古く多くの種類が存在する古銭業界にはそういった高額になるプレミア品も多数存在します。
今回はその中でも特に高額且つ有名なプレミア古銭を年代を追ってご紹介しますので、参考にご活用ください。
江戸時代までのプレミア古銭
やはり古い物ほど保存も難しいです。また歴史などを知る上で重要な役割も果たすこれらのお金に関しては買取価格は総じて高め。プレミアの付き方も規格外な古銭ばかりです。
慶長笹書大判
1601年から発行された最初の大判である「慶長大判」の中でも特にプレミアが付くのがこちら。笹の葉のようなデザインで、買取値は2500万円を超えることもあります。
正徳小判
1714年から発行されたこの小判はたった4カ月しか発行されなかった為レア度の高い小判で、買取価格は200万円を超えることもあるでしょう。
安政小判
1859年から発行されたこちらの小判も発行期間が3か月と短かったにも関わらずかなりの数が回収され希少性が高め。買取価格は50万円と高額です。
佐渡小判
1621年頃に発行が始まり、名前の通り佐渡で作られていた小判。金がよく採れる土地柄、その品質が評価されて400万円を超える買取価格が付くこともあります。
天正菱大判
1588年に「天正大判」の1種として発行されたこちらの大判は、菱形の刻印が特徴的で、買取業者によっては7000万円という超高額が期待できるまさしくプレミア品と言えます。
額一分判金
通称「大阪一分」。豊臣秀吉によって発行されましたが残っている数が非常に少なく、100円~190万円で買取されるでしょう。
筑前二分金
1860年頃に出回っていた地方金貨で、金が豊富だった土地では各自で密造品とされつつも中央政府を介さなかったため自由度が高い二分金でした。買取価格も300万円を超えると言われているプレミア古銭です。
明治、大正のプレミア古銭
明治・大正時代では時代の変化や戦争など様々な要因が重なりプレミアが付くことの多い時代でした。
旧国立銀行券1円札
明治初期の発行で、買取価格も10万円と高額です。
旧5円金貨
明治3年~30年の期間で発行されていた金貨。
明治通宝5円
明治5年発行の5円札。どれも高値で売れる明治通宝ですが、この5円札は最もポピュラーであり高値が期待できるでしょう。買取価格の予想金額が20万円以上。
国立銀行券5円
明治6年に発行され、明治11年を境に「新旧」と分けられ初期の「旧国立銀行券5円」は新品で200万・傷などがある中古品でも100万円を超えるといいます。
改造紙幣5円
明治15年に発行され、神功皇后がデザインされているため「改造紙幣5円」と呼ばれたこちらの紙幣も買取においては20万円以上の価格を叩き出しています。
改造兌換銀行券5円
明治21年に発行された菅原道真と分銅がデザインされているこちらは、状態の良い美品であれば六十万円という高額が狙えるでしょう。
大黒10円
旧10円券。こちらは明治18年に発行された最も古い日本銀行券で、買取価格は100万円を超える高額査定が期待できます。
改造10円券
明治23年発行で買取価格は50万円を超えることもあります。その絵柄から通称「表猪」。
明治通宝10円
明治5年発行。買取価格は15万円ほどでデザインに鳳凰と竜が採用されています。
神功皇后10円
明治16年に発行された改造紙幣の1つ。プレミアが付くことが多い改造紙幣の中でも最も高値が付きやすいのがこちらです。買取価格は50万円ほど。
竜20銭銀貨
明治6年に発行。全体として見るとさほど高額とは言えないですが、2年越しの発売となった「明治13年」物のみ、その希少性の高さから高値を付ける可能性があり買取価格は200万円を超えることも予想されます。
八咫烏(やたがらす)50銭銀貨
大正8年に製造されたましたが、こちらは当時不安定だった銀の価格高騰によって結局発行が断念され世間に流通しませんでした。一般的に出回ったものでないため非常にレアで買取価格も120万円~と高額。
竜50銭銀貨
明治6年に発行が開始されたこちらは、名前の通り竜がデザインされたもので買取金額も非常に高値が付きやすいとされています。特に明治7年発行分に約百万円・明治13年物には200万円という破格を叩き出しています。
八咫烏(やたがらす)10銭銀貨
大正7年発行のこちらの10銭も、他の八咫烏シリーズ同様に世間への流通が叶わずレア品となったもので、状態さえ良ければ100万円という破格が付くこともあるでしょう。
昭和のプレミア古銭
乙号 日本銀行兌換券200円
昭和2年発行。現在残っている数が非常に少ないため400万円という超高額になることもあります。
新5円金貨・新20円金貨
昭和5・6年に発行され、買取価格はこちらも驚愕の300万円~500万円ほど。海外へ流通してしまい日本国内に残る数が非常に少なく高いプレミアが付きます。
日本銀行兌換券
昭和18年に発行され、通称「大黒札」と呼ばれています。買取価格は500万円を超えることもある超レア古銭。
日本銀行兌換券 改造100円券
通称「めがね100円」と呼ばれ、昭和24年発行開始。こちらも現存数が非常に少なく500~1000万円と超高額が期待されます。
甲号 五拾圓(ごじゅうえん)
こちらは当時、経済的な対策として導入が決まり作られましたが発行の直前に中止となりました。上記でもいくつかご紹介しましたがこのように一般の人の手に渡らなかった古銭は非常にレアで買取価格も上がりやすく、実際、過去に1000万円という規格外の値段を付けた一級のプレミア古銭と言えるでしょう。
大型50銭黄銅貨
昭和21年から作られたこの黄銅貨は、2年間という短い製造期間であり特に次年度の22年物は数が圧倒的に少なく高額となります。買取価格は20万円を超えるものも。
甲号 日本銀行券1,000円
昭和20年発行。最初の1,000円札として知られますが、流通期間が1年弱と非常に短く数が少ないため希少価値が高くなったものです。ある業者では未使用品に25万円以上の価値があるとされていました。
平成のプレミア古銭
平成に入ると、これまでのような歴史的価値の高いものがほとんどと言っていいほど無くなってきます。その中で平成に入ってからのプレミア古銭として外せないのが「エラーコイン」などのエラー品。ここでは最も高額と言っても過言ではない2,000円札のエラーについてご紹介します。
最も有名なのが「JL券」と呼ばれるエラー紙幣。こちらは紙幣に印刷されている番号のアルファベットが本来上下共に同じであるはずが異なっているというもので、そのアルファベットがJとLである為「JL券」などと呼ばれています。
平成に入ってからの発行で、進んだ印刷技術の中で起こったエラーであり貴重なため、約10万円~20万円という高額でやり取りされています。平成以降の発行でこのような高値を付けるものは中々ないでしょう。
希少性の高さは価格の高さへ直結する
以上、本当に高額になる一部の古銭のみのご紹介となりましたが、これらのほぼ全てに共通するのが発行枚数や現存数が少ないなど希少性の高さです。古銭など中古市場ではこの「手に入りにくい」というポイントが間違いなく高値を付ける第1条件と言えるでしょう。
今回ご紹介した以外にも、プレミアが付くものはまだまだたくさんありますから色々調べてみるとその面白さに惹かれていきます。買取品としてだけでなく、是非古銭の奥深さにも触れてみてくださいね。