明治時代の古銭の買取価格相場
明治時代の貨幣は22種類もあり、全体を見た時の買取価格は900万円~300円と、かなりの差が生じます。
これは下記のような基準で価値が異なるためです。
- 製造数
- 流通数が少なく希少なこと
- 貨幣自体の原材料の価格や骨董品としての付加価値
- さらに貨幣の状態がよく美品であること
例えば明治30年の50銭銀貨は5,078,437枚が発行されており、希少な貨幣ではないので貨幣の状態によっては300円程度となってしまうことがあるというわけです。
価値の高い明治時代の古銭
明治10年製造 旧二十円金貨
明治時代に製造された貨幣の中で価値が高いとされるのは明治10年に製造された旧二十円金貨です。
極端に発行数が少なく、これは流通用というよりも外国のVIPに対する贈答用や、国際博覧会の展示品として製造されたためです。
表面の中心には竜が意匠され、その周りを「大日本・明治十年・弐拾円」の文字が囲っています。裏面には、天皇の象徴とされる16弁の菊紋と、同じく格式高い五七の桐花の紋が中心に据えられています。
その左右には月と日の旗、昔の日本の象徴だった日章と鏡を花に見立てたような八稜鏡が配置され、さらに周囲に菊と桐の枝飾りが縁取っています。まさに国の威信をかけた金貨なのです。
また、九年、十三年発行の旧二十円金貨も同様の理由で高額な取引になることがあります。
明治3年発行 旧二十円金貨
次に価値が高い金貨は同じ種類の二十円金貨で、発行が明治三年発行のものです。こちらも46,139枚と非常に少ない発行数となっています。
さらに当時の情勢から海外に流出することが多く、大半の旧二十円金貨が失われ、現存するものがわずかなため、その価値を上げています。
そのほかの高値が付く金貨は表面も裏面も同じ意匠で、表面の文字だけ、それぞれ一円、五円、十円と異なります。また、一円金貨には明治七年発行の小ぶりの金貨も存在しています。買取相場は15~30万円前後です。
明治時代の貨幣の種類
買取価格の評価の高いもの金貨ですが、金貨のみが流通していたわけではありません。銀貨、銅貨も明治時代には多く発行されていました。
表面には日章と八稜鏡が旭日に見立てられ、裏面には竜が意匠されている、旭日竜と称される銀貨があります。金銭の単位が5、10、20、30、50銭と分かれています。
また、貿易銀貨という貿易専用の貨幣があります。こちらは表面には「貿易銀」裏面には竜を囲むように日本語と英語が刻まれています。